子供の頃に欲しかったもの。
今週のお題特別編「子供の頃に欲しかったもの」
〈春のブログキャンペーン 第3週〉
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わりと貧しい幼少時代だった。
父は仕事漬け、母はお金が無いと言っていつもイライラしていた。
自然、お金を貯めることが、私の趣味のようになっていった。
妹や弟と遊んで、小銭をせびる。
我ながら、恥ずかしい姉ぶりだった。
そうやってコツコツと貯めたお金を、何に使うかと言えば、欲しい物は特に無い。
貯めることそのものが、目的になっていた。
じいちゃんやばあちゃんがくれたお年玉。
使い道無く、通帳に記帳されていく残高。
子供の頃の自分に、今、問いかける。
「何が欲しかったの?」
――怒鳴り声の聞こえない、穏やかで静かな環境。
じっと我慢して、びくびくしながら過ごした日々。
今の私なら、こうアドバイスしてあげる。
「そこから出ていっていいんだ。外に出かけて、散歩でもしておけばいい」
「音楽プレイヤーがあれば良かったね。好きな音を聴いておけばいい」
殴られるようなことは無かったけれど、心に痛みを感じた子供の私。
欲しかったのは、我慢しなくていいんだよ、と教えてくれる信頼できる大人だったのかもしれない。
月日は流れた。
現在、私は母と仲良しだ。すっかり丸くなった母。いざとなれば、怒鳴り返せる強さを身につけた私。
母の好きな、桜が咲き誇る春。
ゆったりとこんな思考をつづる、2015年のとある夜のお話。
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『イケメンGIRL!』(著)水沢みと
プロローグ
漆黒の闇が、世界を覆う刻(こく)。
暗闇をものともせず、あたしは仲間たちと疾走している。
その夜の『仕事』を終えて、後(あと)は迎えの車と落ち合うのみ。
「由紀(ゆき)さん!」
先頭を走るあたしに向かって、後ろの仲間から声が飛んできた。
「後ろ、追って来てる奴が……」
「とっくに気付いてるって」
口の端に、余裕の笑みを浮かべる。
首尾よく片付けたはずの仕事が、パーフェクトではなかったことへの少々の残念さは感じたけど。
――めちゃくちゃ、ドキドキする!
闇が、速さが、命の取り合いが。
それはまるで、恋のように、この胸を高鳴らせる。
――恋をしないあたしには、ぴったりの代償行動だ。
身をひるがえすと、手にした拳銃の引き金を、軽やかに引いた。
第一話「出会ってしまった」
その人と目が合った瞬間に、心が絡め取られる、なんて経験、この十六年間の人生で初めてのことだった。
私、宗田翔子(そうだしょうこ)が、この私立さつき原(ばら)高校の一年生として、二学期の始まりと共に転校してきたのは、単純に父の仕事の都合によるものだ。
会社ではそれなりの役職についている父と、専業主婦の母、そして私の三人家族。
これまでの人生で、特に不満もストレスも感じずに生きてこられたのは、奇跡的に運がいいのだと思う。
そんな私にとって、これからもきっと平々凡々とした日常が続くと思っていた矢先の、その人との出会い。
これが、運命の歯車が回り始めたってことなんだろうな。
「宗田翔子です。これからどうぞよろしくお願いします」
深々とおじぎをして、目の前のクラスメイトたちに頭を下げた。
今日から一緒に学業に励む人たち。仲良くしてもらえるといいな、という気持ちと同時に、窓際の席から、私と一瞬目が合ったその人のことが、頭の中で一杯になっている。
とても、美しい人。
金色に近い茶髪に染めて、右で分け目を作った無造作ヘア。ショートカットが良く似合う。ピアスが耳に光っていた。
石膏像のように整った顔立ちに、なにより心奪われたのは、その瞳。
自信と、野心と、達観と、真っ直ぐさ。
そんな色を宿した、強い視線。
たった一瞬の時間の中で、これほどの強烈な印象を覚えさせた。
釣り目がちな目が、どこかいじわるそうで、それでいて、魅力的で仕方がない。
私が一目惚れしたのは、そんな女の子。
後(あと)で知った名前は、『池原由紀(いけはらゆき)』。
第二話「視線」
「宗田さん、きれいだねー。めっちゃモテるでしょ」
休み時間。
私の席の周りに、クラスメイトの女子が数人やって来て、さっそくあいさつをしてくれた。
「そんなことないです」
「謙遜(けんそん)しないでも~。ロングの黒髪もすごいさらさらだし。色白でこんな美人だし。ほんと、お人形さんみたい。彼氏とかいた?」
「ちょっと理子! さすがに初対面からそういう質問は馴れ馴れしいんじゃないの」
「そっか。みちるの言う通りだね。ごめん、宗田さん。ちょっと興奮しちゃって」
「大丈夫です」
内心ほっとして、笑顔を返す。
自分の容姿に対して、人から好意的に見られることには慣れている。
わりと小さいうちに、いわゆる恵まれた容姿というものを授かって生まれてきたのには気付いていた。正確には、気付かされた。大人たちの口々の褒めたたえる言葉。同じ年頃の子供たちからの好意的な言動。
調子に乗れば、足元をすくわれるような称賛(しょうさん)だとしても、意識的に控えめにしていれば、ほとんど良い結果に落ち着く。
鏡に映った自分を好ましく思えるのは、嬉しいことだとわかっているし、卑屈(ひくつ)も傲慢(ごうまん)もなく、私はただ、穏やかな風のように存在すればいい。
きゃっきゃとした会話のさなか、ちらりと窓際のあの人を盗み見た。
机にうつ伏せになって、眠っている。
本当に寝ているのか、意識は起きているのか、そこまではわからないけれど。
「ん? 誰見てるの」
「え、えと……」
しまった。理子さんに視線を気付かれてしまった。
「あー、池原由紀か。あいつ目立つしね。……いい機会だわ。先に言っておいてあげた方が宗田さんの為だもんね」
「なに?」
平静を装って聞いてみる。理子さんの顔は険(けわ)しい。
「あいつのこと、クラスメイトだなんて思わない方がいいよ。てか、近付いたら危険って覚えておいた方がいい」
「どうして、そんなことを……」
ひどい、と言おうとした私の言葉を、理子さんの言葉がさえぎった。
「池原、レズだから」
その一言は、私の思考を止めるには充分で。
飲んだ言葉の持って行きようがないまま、無意識的に、あの人の方を見た。
いつの間にか、寝ていたはずのあの人は、こちらを見ていた。
視線が合う。
――にこっ。
「!」
あの人が笑った。
その笑顔の中に、どんな感情が含まれているのか、なにも察することはできなくて。
ただ、私はその笑みを、美しいと思った。
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●由紀が裏の世界で戦っているのは、過去の悲しい事件が原因にあり、後々理由が判明します。
●ガンアクション等の戦闘シーンもありますが、えぐさは無く、あくまでガールズラブな内容がメインです。
●ぶっちゃけ、ハッピーエンド万歳! です。
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18.なろう様に突撃した結果……削除前提、アカン
2016.8.6 追記。この記事のころと、なろう掲載の方針が変わりました。
以下の記事をご覧ください。
22.今後の小説家になろうでの小説掲載についての方針 - なろうからKDPとPODでKindle本と紙の本を出す!
生真面目で損する性格かもしれない、水沢みとです、うす。得して生きたいマジで!
小説家になろう様の「お問い合わせ」から問い合わせました。
2015.4.7 21:12送信
質問
たびたびご連絡失礼いたします。
水沢みとのユーザネームで小説を掲載させていただいています。
先刻いただいた注意に従い、「続きは出版物で」的な内容で、サンプル掲載になっていた小説を削除致しました。
今後の方針なのですが、現在連載している小説を、不定期連載で完結までもっていき、読者様が全文、読める期間を充分にとります(たとえば一ヶ月以上)。
そしてその後、その作品を、読者様に告知の後に完全削除し、加筆・修正したものをアマゾンKDPや、PODで販売していきます。
小説家になろうでの連載で、執筆のモチベーションを維持し、完結させ、無料でも楽しんでいただき、その後、マネタイズに作品を活用しようという次第です。
以上の使用目的のために、小説家になろうの利用をさせていただいてもよろしいでしょうか?
4.8 返信きました。内容は。
水沢みと 様
いつも小説家になろうをご利用頂き、ありがとうございます。
小説家になろう運営です。
以下、複数のご連絡をまとめてのご返信となりますこと、何卒ご容赦を頂きますようお願い致します。
ご連絡頂きました後、該当作品の削除を確認致しました。
つきましては、今回の件に関しての運営側からの対応は以上で終了となります。
この度は迅速なご対応を頂きまして、まことにありがとうございました。
また、お問い合わせ頂きました今後のご利用方法に関してですが、
小説家になろうでは削除前提の作品投稿につきましては、サーバに負荷がかかる行為としてご投稿をご遠慮頂いております。
その為、今回ご連絡頂きました利用方法につきましては、許諾致しかねるものとなりますこと、
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
その他、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
今後とも小説家になろうを宜しくお願い致します。
…………はああああああ。。。。。。。あかんかー。そっか。。。しょうせつかになろうってサービスなのに、無料で出させるだけださして、KDP作家になるのはゆるさんかー。そっかー。←すいません、落胆のあまり皮肉を、、許して。
どうすっぺかな、、これから。 ふー。
とりま、なろう+KDP+POD ってゆーテーマから、くずれる返答でござった。
うん。
あれだ。
※以下は、私の場合はこうしようかな、という意見です。うまくいくかは未知数…。
解決策1:今後の作品についてはKDPセレクトには入らず、なろう版を全部残しておく。それとは別に、加筆・修正や(できれば)イラストを付けて、お金を出していただく付加価値をたす。出版したら99円以上から売る。印税35%。おう…。
おそらくきっと、出版時の審査で、アマゾン様から、「ウェブに掲載されてるけど、これ君が著作権もってる?」的な確認のメールとかがくるのだと思う。それにちゃんと答えて、「わいが書きました! 売ってくだされ」と証明する。
「パブリックドメイン」というのが、著作権が切れた、誰でも自由に利用できる作品という意味合いのようなので、そこの視点でいくと、全文自分が書いた小説は、「これはパブリックドメインの作品ではなく、私は必要な出版する権利を保有しています」ということになるはず!
こちらのサイトの、
・ブログの電子書籍化は漏れなく審査に引っかかる
http://blog.sixapart.jp/2013-05/KDP-troubles.html#10
を見て、ちょっと安心と冷静さを取り戻しました。
解決策2:なろうに載せるのはあきらめる。小説は自分のサイトとかに載せて自由にやってしまう。
……って考えたけど、一瞬。私は、なろう様のシステムは好きなんだよ!!使いやすいユーザーインターフェース。そっこーでアクセス数が見えて楽しいあの感覚。そこはさすが投稿サイト大手様なんだなと思うのだった。←皮肉を言っちゃったので持ち上げたり。いやでも本心です。
解決策3:ばか正直にやらなけれ(ry
このブログのテーマが、なろう+KDP+POD である以上、正攻法でいきたいのであります。拙者、愚直でござる。
以上、2015.4.9現在の自分の状況、これからの作戦について述べた次第です。
あくまで一個人の、「私はこんな感じでやっていこうと思う」という備忘録なので、読者様に同じ方法を押しつけるつもりは毛頭ございません。あしからず。
ちょー気合いが入ったガールズラブ小説いかがっすか~!
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17.KDPセレクトとなろう公開について考える
突然ですが、私はKDPセレクトに登録しているのですが(70%の印税がほしーからー☆)。
これに入っていると、他サイトでの販売や無料提供は禁止のようです。
KDP セレクトに関してよくある質問
https://kdp.amazon.co.jp/help?topicId=A6KILDRNSCOBA
Kindle での独占的な出版とはどういうことですか?
本を KDP セレクトに登録すると、登録期間中、その本の電子版を KDP で独占的に販売することを承認したものと見なされます。
KDP セレクトにより Amazon の独占販売となったすべてのコンテンツは、Amazon サイトでのみ購入できる状態でなければなりません。そのコンテンツの電子版を他のサイトで無料提供または販売することは一切できません。その本のコンテン ツを Web 上で公開することは、出版者自身の Web サイトやブログなどであっても認められません。ただし、本の内容の最大 10% を無料サンプルとして他の場所で提供することはできます。また、紙に印刷した本など、デジタル以外の形式の本を配布することは引き続き可能です。詳しくは KDP セレクト利用規約をご覧ください。
Kindle ストア以外の Web サイトで販売または配布されている本を KDP セレクトに登録できますか?
いいえ。Kindle ストア以外の場所で本を販売している場合、または、販促目的で無料で本を配布している場合は、KDP セレクトに登録できません。たとえば、本のダウンロード方法や入手方法を別の Web サイトや販売経路で紹介している場合は、Kindle ストア以外の場所で本を提供しているものと見なします。
つまり、、なろうではサンプル掲載は× & なろうでの全文公開も× ってことですよね~。
ということで、なろう版イケガを削除したのは、正解だったようです。が、疑問が。
「KDPセレクトに登録していなかったら、なろう全文公開はOK?」
わからない……。考えることを、調べることを、やめてしまいそうな自分がいる……。
ツイッターを見ていると、KDPセレクトに入っていなければ、なろう版を残したままでも問題ない、という情報がありました。
自分では確認していないので、自己責任で、よろしくお願いします! (投げてスマンです)
とりま、私はKDPセレクトにこだわって、やっていこうと思います。>よって、価格は250円からの設定になります。
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16.紙の本を出版しよう!5378円(税込)でアマゾンに並ぶ本が出せる!
2015年4月4日(大安)発売!
イケメン少女と優等生少女の恋模様。
心理描写を丁寧に描きました。
Kindle本『イケメンGIRL!』。小説家になろう完結から、加筆・修正を加えた完全版です。
ぜひお買い求めください!
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Kindle本も無事に発売されたことだし、次は「紙の本」を出す番です!
MyISBN に新規登録しました。
メルアド登録で確認メールがきて、リンク先でパスワードを設定。簡単です。
出版する為には、システム利用料として4980円+消費税がかかります。
(本のデータを全て登録したあとで、支払処理画面が出ます)
すでに本のデータは準備していたので、「新しい本を登録」をクリックしました。
新書サイズ(105mm×175mm)で作っていたので、
本の分類は「一般」「新書」「日本文学、小説・物語」としました。
本文のデータをアップロード。
次に表紙データのアップロードへ。
ここで、「サンプル表紙データ」の「右綴じ表紙(タテ書き用)」を右クリックで保存しました。
カバーファイルの作り方はこちらに詳しく図入りで掲載されています。
https://myisbn.jp/info/2013/03/make_cover/
イラストレーターの無料体験版のダウンロードはこちらから。
https://www.adobe.com/jp/products/illustrator.html
右上の「無償体験版で試してみる」をクリック。30日間の無償体験版を開始します。
「Adobe ID」は、以前作っていたので、ログインしました。
無い方は、「Adobe IDを取得」からIDを作ってください。
イラストレーターの体験版をダウンロードできます。
インストールまで、けっこう時間がかかるので、お茶でも飲んで待ちましょう。
無事に使えるようになったら、上記のカバーファイルの作り方を見て、表紙データを制作します。
作り方には、断ち切り幅をつけるやり方が掲載されています。が、ダウンロードしたサンプルファイルは、すでに上下左右の5mmの塗りたしが付いているので、このまま上にイラストを載せました。
>表紙データのサイズはサンプルでダウンロード出来るものと同じサイズで作成してください。(断ち切り幅不含)
とのこと。
イラストの埋め込みはこちらが詳しいです。
http://www.wave-inc.co.jp/data/illustrator/image.html
「リンク」のチェックボックスをオフにするのがポイントです。
また、背表紙に文字を入れる時は左右に1.6mmずつのスペースが必要です。
裁ち落とし設定が、0mmのままなのが、作り方と違うところでした。
なんだーかんだーと頑張って完成! あっぷろーど!!
価格は、印刷費用などを含めた最低価格が表示されます。自分で自由に決められます。
ちなみに、
>販売時価格について販売時は8%の税金が付加されて販売されます。
とのこと。
私の場合は、最低価格が1820円(税抜)なので、それで設定しました。
税込価格は1966円になります。約2000円か……。わお。
同じ内容のKindle本も絶賛発売中です! 価格は、250円です。
「やっぱり紙の手触りがほすぃ」という方は紙の本を(2015年5月には発売できるかと)、内容同じなら、断然、安い方がいい! という方はKindle本をどうぞ!!
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アマゾンでの審査には、通常2~3週間かかるそうです。気長に待ちますぞー。
審査後は、すぐにアマゾン上に並ぶそうです。
最後の確認時に、
>第2版改定時には4,500円(税抜)かかることを認識しています。
というチェックボックスがあるので、本文も表紙も紹介文も、万全の状態で挑みましょう。
追記:自分で作った背表紙に納得いかず、2版出します…。疲れているときに急いでやらないこと…。。