社会人百合(レズビアン)小説、発売開始&試し読み!
2019年4月26日に発売開始しました。Kindle新刊『フリマアプリの取引相手が高校のときの初恋の人(同性)だった件。』、通称「フリ恋」。
今回は、社会人百合、レズビアンロマンスといった、これまでと比べると、おとな~な感じの本に仕上がりました!
アダルトカテゴリーとなりますので、18歳以上になったら、読んでみてください♪
百合にエロスはいらないよという方は、未読を推奨いたします。
逆に、嫌いではないという方は、ぜひとも!
フリマアプリの取引相手が高校のときの初恋の人(同性)だった件。
試し読み、どうぞ~。
KDPセレクトの規約にのっとって、販売作品『フリマアプリの取引相手が高校のときの初恋の人(同性)だった件。』の10%までを、ブログ上に試し読みとして掲載します。
( )内のひらがなは、Kindle本ではルビとして表示。
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『フリマアプリの取引相手が高校のときの初恋の人(同性)だった件。』(著)水沢みと
フリマアプリの取引相手が高校のときの初恋の人(同性)だった件。
山田透子(やまだとうこ)が一人暮らしをしているアパートに、会社から帰宅したのは、水曜日の十九時を過ぎた頃だった。
同僚は今頃、居酒屋でどんちゃん騒ぎをしていることだろう。
玄関に入り、明かりをつけると、ふーっと大きく息を吐いた。
透子の部屋の内装は、良く言えば、すっきりと物が少なく片付けられ、きれいに掃除が行き届いている。悪く言えば、味も素(そ)っ気(け)もない、無機質な場所だった。彼女にとって、この古びたアパートに帰宅する理由は、ここ以外に自分がいていい場所はないという思いからであり、特段の愛着がある訳でもなかった。
ふと、ドアの内側の郵便受けに、物が入っているのに気付いた。
取り出してみると、厚さ二センチ程の封筒で、ちょうどCDが入るぐらいのサイズだ。それでピンときた。
「フリマのか。けっこう、早かったな」
最近気になっているアーティストの中古CDを、先日フリマアプリで購入した。
書かれた宛名の文字は、丁寧だ。発送も早かった。
良い出品者で良かった、と透子は思った。
封筒を裏返して見て、驚愕した。
そこに書かれていた、差出人の名前には心覚えがある。
「これ……あの人の名前……!?」
息をするのも忘れ、文字を食い入るように見つめる。
住所と共に美しく書かれたその名前は、「日羽(ひわ)かすみ」。
高校のときの同級生の名前だった。
十年前に出会い、そして、突然去っていった人。
「こんな偶然が、あるの?」
興奮が抑えられない。
日羽かすみは、透子にとって忘れがたい存在として、十年経っても色あせない人物だった。
――なんでこんな、どきどきしてるんだろ、私。
動揺で震えそうな手を制御し、郵便物の封をハサミで開けていく。
中身は推測した通り、フリマアプリで購入したCDだった。プチプチで丁寧に巻かれている。プチプチをはぐと、CDのケースにも盤面にも傷一つなく、問題なさそうだ。
そして、メッセージカードが添えられていた。
そこには、「ご購入ありがとうございました!」という定型文と共に、「高校で一年A組のクラスメイトだった山田さんだよね? もし良かったら、連絡ください♪」という文章が書かれ、続いて携帯番号が記されている。
透子は、信じられない気持ちで一杯になり、戸惑いを禁じえなかった。
「やっぱりこの人は、あの日羽かすみちゃんなんだ……」
十六歳のときに出会った、優しくて美人の日羽かすみのことを思い出す。
ガリ勉で根暗だった透子が、クラスに多少なりとも溶け込めたのは、かすみのおかげだった。
クラスの中心人物として、華やかなオーラをまとった、人気者のかすみ。男子も女子も、彼女のことを悪く言う人はいなかった。
――そして私にとっても、かすみちゃんは、特別な人だった。
この十年の苦節の日々の中で、彼女との出会いは、透子にとって、夢のように幸せな出来事だった。
「だけど……だからって、今頃……」
もう自分は、すべてが青臭かった高校生ではない。
世界のリアル、痛み、辛さ……そんな現実を知ったあとだ。
恋だの愛だの友情だの、そうしたものに、依存して生きる訳にはいかなかった。
一言で言えば、山田透子は、世界に希望を見いだせないでいた。
「高校時代には、もう戻れないよ……」
メッセージカードのことは、ひとまず保留にすることにした。
混乱した頭で、それでもCDの再生確認をして、フリマアプリの評価は付けなければ、と思い立った。
CDプレーヤーにセットし、ヘッドホンをかける。
そして一時間弱の曲を聴きながら、昔のことに思いをはせた。
高校一年のとき。
両親のやや神経質な教育の影響もあって、勉強一筋にそれまでの人生を過ごしてきた透子が、こんな人もいるんだ、と不思議な感覚を覚えたのが、クラスメイトの日羽かすみという人物だった。透子は、ぼさっとして身だしなみに無頓着、髪型にも気を使わず、くしを通すのもそこそこのショートで、全然オシャレでもなんでもない眼鏡をかけていた。対してかすみは、さらさらロングでストレートの黒髪も美しく、きらきらとした目力の、整ったお人形のような顔立ちだった。明るい美人で人気者。モテるけれど、気取ったところもない。何より、ガリ勉優等生で、中学同様、孤立しそうだった透子にも親切に声をかけてくれて、おかげで透子も、クラスメイトとぽつぽつと話すぐらいのことはできた。
かすみがいるだけで、進学校のクラスの中も、華やかで、穏やかな空気に包まれた。受験という目標にぎすぎすした心が、彼女の存在で癒やされるように透子には思えた。
みんな彼女のことが好きで。
透子も、かすみのことが好きだった。
それが、人のことが苦手気味だった自分を、クラスになじませてくれたことへの感謝からだったのか。
それとも、それがいわゆる、「初恋」というものだったのか。
答えは、すぐに出た。
だけどずっと、その心にはふたをしていた。
高校生のときもそうだったし、経験を積んだ今なら、なおさらだ。
「人間は、信じるには値(あたい)しない」
頭に入ってこない曲を流しながら、一人つぶやく。
曲の再生は問題なかった。
思考を停止させて、フリマアプリを立ち上げ、定型文で「ありがとうございました」とコメントを書いて、「良い」で評価した。
あとは向こうが、こちらに評価を返せば、この取引は終了だ。
すると、三分もしないうちに、出品者からの評価も付けられた。
定型文で、「ありがとうございました。また機会がありましたらよろしくお願いします!」とコメントがされて、「良い」の評価だった。
他の誰が読んでも、メッセージカードに携帯番号を記していたなんて、とても想像できないだろう。
ひとまず、これにて取引は無事に終了した。
「これ、どうしよう」
残されたメッセージカードに視線をやる。===============================================================
●切なさもありますが、ラストは幸せな未来が待っています!
美麗な表紙イラストを担当していただいたのは、イラストレーターの、lino(りの)様です。
可愛い女の子、百合イラストをメインで描いていらっしゃる方です。
lino様のツイッター
https://twitter.com/LilyParty07
作品制作依頼サイト・スキロッツのlino様のページ
https://www.skillots.com/design/search/engineers/23179
お買い上げ、お待ちしております! 読み放題の対象にもなっておりますので、ぜひ!
フリマアプリの取引相手が高校のときの初恋の人(同性)だった件。
新刊『GLアイドル』発売開始! 試し読みも掲載中!
ついに、完全完成したKindle新刊『GLアイドル』。こちらの本の試し読みページです。ぜひともチェックよろしくお願いします。
KDPセレクトの規約にのっとって、販売作品『GLアイドル』の10%までを、ブログ上に試し読みとして掲載します。
( )内のひらがなは、Kindle本ではルビとして表示。
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『GLアイドル』(著)水沢みと
第一話「さいは投げられた」
「困りましたね……」
芸能事務所ゆうきプロダクションの会議室では、先刻から重たい空気が流れている。
机の上に広げられた写真週刊誌。開かれたページには、大きな見出しで『ゆうきプロの人気アイドル、またもや不純異性交遊発覚!』とでかでかと書かれていた。
「今年に入って三回目か」
「もう『ラビッツ』を推していくのは無理です。彼女たち八人には酷ですが……これだけスキャンダルが続くと、もはやCDを買ってくれる男性ファンの数も激減ですよ。次回作も出せるかどうか……」
スタッフは、憂鬱な面持(おもも)ちで話す。
「……よろしい。わかりました」
「新条(しんじょう)さん?」
それまで黙って話を聞いていた、赤系の髪の女性が口を開く。
華やかな印象を人に与える、二十代に見えるその女性は、ゆうきプロダクションの気鋭のプロデューサーだ。
「私に、妙案があります」
新条令子(しんじょうれいこ)は、口の端に妖艶(ようえん)な笑みを浮かべた。
その日のうちに、会議で決定した新プロジェクトの発足。その名は『GLプロジェクト(仮)』。
新条プロデューサーの鶴の一声で決まったこのプロジェクトに、少女たちは運命をかけていくことになる。
◆
御子柴悠里(みこしばゆうり)は、最近お気に入りのガールズアイドルグループが表紙という理由で買った雑誌の三ページ目の広告で、それを知った。
内容は、よくある新人アイドルグループのメンバー求む! といった文章だったが、悠里の心に雷を落とすような惹句(じゃっく)がそこには記載されていた。
募集条件はただ一つ。『同性が好きな女の子』であること。
ベッドの上で寝そべっていた悠里は、ざっと起き上がって正座して広告のその一文を繰り返し繰り返し読んだ。何度読んでも間違いない。
――これは、アタシの為に神様が与えてくれたチャンスなんですね?
御子柴悠里は、感動でしばらく身動きできなかった。
チョコレート色の短髪にパーマをかけた、外国の少年のような風貌の悠里は、ボーイッシュで端正なルックスの持ち主だ。
オシャレに敏感で、髪のセットがうまくいくと、機嫌よくその日を過ごせる。
そして、幼少の頃から、自然と『女子の方が好き』な女子だった。
一見するとオラオラ系に見えて、内心はヘタレ……である自分を見透かされないように、クールぶってみたりして。
女子にモテない訳でもなかったが、ビビリなので、そういう関係にはならずにきた。
だが、彼女の心のどこかではいつも、『素敵な女の子と堂々と付き合いたい』という願望があった。
「これ、めっちゃチャンスじゃんか!」
その日のうちに応募書類を用意して、郵便局に持ち込んで出したのであった。
第二話「それぞれの場合」
東郷麗華(とうごうれいか)のことを一目でも見たことがある者は、その圧倒的なオーラの前に、ひれ伏すように見上げる好意か、逆に嫉妬に由来する嫌悪の感情を抱かざるを得なかった。優雅で気品のある立ち居振る舞いは、只者ではないことを瞬時に伝え、何よりロングのストレートの黒髪をなびかせた彼女の美しい顔立ちは、天が与えた選ばれし人であることを示した。彼女自身も、自分の美貌に対して尊厳を持つことをはばからなかったし、それと同時に、極端に相対(あいたい)する他者との距離感について、少なからず悩むところもあった。それゆえに彼女を知る人の間(あいだ)では、東郷麗華への評価は『孤高』とされた。
昼休み。クラスメイトがざわざわと騒がしく各々のグループで和んでいる中、麗華は一人、昼食を終えてからの読書にいそしんでいた。別段寂しいということもなく、彼女にとってはもはや日常の一ページに過ぎない。だがその日は、妙なフレーズが耳に入ってきた。
「ほら見て! ここ書いてるでしょ。募集条件は同性が好きな女の子って!」
「やだ、千恵。応募するの? こんな変なアイドルグループ」
「そんな訳ないじゃん。ただ面白そうだなって思ったから見せたのっ。ゆうきプロってわりと大手なんだよ?」
そして少女たちはまた別の話題へと話を移した。
麗華は、ポーカーフェイスのまま、今しがたの会話を頭の中で咀嚼(そしゃく)する。
――同性が好きな女の子を募集して、アイドルにする? ……面白そうじゃない。
くすっと笑みがこぼれるのを、抑えることができない。
◆
――軽い人たちばかり。うんざりだな。
柳沢秀子(やなぎさわひでこ)は、コーヒー屋の店内で、いつも注文しているイングリッシュマフィンとブラックコーヒーを味わいながら、ノートパソコンを前にそう思った。目は、経済やらオーディオ機器やらの情報サイトの文字を次々と追っているが、先ほどから隣で騒がしい学生たちのおしゃべりが癪(しゃく)に障(さわ)って仕方がない。
(席を替えようか……でも、あからさまにそんなことをしたら、あの人たちの機嫌を損ねるかもね)
自分のことなど別に気にもしないだろうという考えもあったが、目立つ行動もしたくなかった。柳沢秀子は、とにかく慎重な性分だった。眼鏡をかけて、後ろを結んで一つにした黒髪も、彼女が優等生然とした性格の持ち主であることを、外見から伝えた。事実、秀子は通っている進学校で、学年一位の成績を入学以来キープし続けていた。同い年の人間にさえ敬語を使う秀子のことを、ともすれば慇懃無礼な印象に受け取る人もいた。
――何か……なんでもいいから、俺の知的好奇心を満たしてくれるものはないのかな。
ふと、マウスをクリックしていた手が止まる。
見ていたサイトにバナー広告が表示されている。
書かれているコピーは、『ガチで同性が好きな子、アイドルにならない?』。
(見つけた)
秀子は、これは相当慎重に見極めなければならない情報ではあるけれど、場合によっては、自分の満たされない心を、丸ごと受け止めてくれるきっかけかもしれないと考えた。
軽く興奮してきた自分の心を楽しみながら、バナーをクリックした。
◆
「あ~、もうしつっこいなぁ!!」
姫川|(ひめかわ)ももは、その日三人目の芸能スカウトマンに声をかけられて、いい加減に堪忍袋の緒が切れていた。
「待って待って! 君なら絶対、売れっ子になれるって!」
「お断りです。さよならっ!」
そう言って、ダッシュでスカウトマンから逃げた。
「はぁ、はぁっ……つっかれた~」
無事逃げおおせて、立ち止まってから息を整える。
明るいオレンジ色の髪の毛が、汗で額(ひたい)に張り付いている。
何人ものスカウトマンが声をかけるだけあって、ももの外見は、一発で可愛いと形容できる容姿だった。華奢で少し小さな背のももは、友人いわく『人形のようで抱きしめたくなる』とのこと。他者にそういった感情を引き起こさせる自分のことを、ももは、これまでの人生で会ってきた同性異性問わずからの、半(なか)ばセクハラめいた言動でうんざりするほど理解していた。
「可愛いからって……それがなんだっつーの……」
バッグからハンカチを出して、汗を拭いた。
(この見かけで得したことなんてほとんどなかった。好きでもない人たちに好かれたところで、それがモテるって言える?)
ルックスから勝手に判断されて、チャラい男にナンパされるなんてことも日常茶飯事だ。そんな日々に、つくづく嫌気が差していた。
深いため息が吐き出される。
――わたしはいったい、どうしたらもっと幸せに生きられるのかなぁ。
とぼとぼと街を歩いていると、ふと目をやった張り紙に釘付けになった。
集合! 「私たちは全員、女の子がガチで好きです!」
ももの足がぴたりと止まる。
でんと印刷されたその文章から他の文に目が移り、その張り紙が、新人アイドルグループのメンバー募集のものであるということが、ももの頭の中に入ってきた。
「……やば」
姫川ももは、張り紙に記載されたプロダクション名など、必要な情報をスマホにメモした。
◆
「なんだこの人! めちゃくちゃ好みなんだけど……」
西園寺葵(さいおんじあおい)は、ネットを巡回中に偶然見つけた、アイドル募集の特設サイトを見て、思わず感嘆の声をあげた。
これまでにないコンセプトのアイドルグループを作る意図をコメントにして掲載している、その女性プロデューサーの顔写真を、食い入るように見つめた。
「新条……令子さん、か」
葵は、青色に染めた髪をくしゃっと手で軽く触り、令子の文章を一気に読んでしまった。
「ぼくの、彼女になってくれないかなぁ」
完全に一目惚れだった。
西園寺葵のこれまでの人生における恋の相手は、すべて年上の同性女性だった。
先日振られた相手などは、人妻だったりもして、その傷心もまだ癒えていない。
――オーディションか。新しい経験をしたら、この傷も癒えるのかな?
葵は心を決めた。
もしかしたら、この麗(うるわ)しの新条プロデューサーにも、気に入ってもらえるかもしれないという期待を込めて。
第三話「出会い」
オーディションの開催日。
集まった少女たちは、全員で五十二人。
書類審査ではわからない魅力を見落とさないようにという目的で、一次審査から対面でのオーディションだった。女の子たちは、履歴書一通を持って、思い思いの格好で会場に集まった。
気さくに会話をしている子たちもいれば、ライバル意識を持って一人ぽつんぽつんと離れている子たちもいる。
御子柴悠里は、早起きしてばっちりセットした髪型に満足して、気分良くその場にいた。緊張はあまりしていなかった。それどころか、その場にいる少女たちが、皆、ライバルとはいっても『同性が好き』という同じ嗜好の持ち主なのだと考えるだけで、頭の中が虹色になっていた。
(あー、あの子も可愛いな~。あっちの子も……。なんだこれ天国じゃん!)
油断すると顔がニヤけてしまいそうになるのをなんとか耐えて、涼しい顔を装った。
眺めている女の子たちは、ひらひらのスカートで可愛らしさをアピールしていたり、悠里のようにボーイッシュスタイルで、かっこよさを追及しているタイプもいた。
――かっこよさなら、正直自信はあるんだけどな。
オシャレに敏感で、髪型のセットにも余念がない悠里は、自分のルックスに対して、自信がないと言えばウソになった。
活発さを他者に印象付ける、はっきりとした顔立ちは、美少女というよりはイケメンと形容した方がしっくりとくる。
(審査する人の目に適(かな)えばいいな~)
気楽に構える悠里の視界に、その少女の姿が入った。
「えっ」
悠里は思わず声を発していた。
長い艶(つや)やかな黒髪の、明らかにその場にいる他の女の子たちとは一線を画すオーラを放つ少女。
圧倒的な美貌の顔立ちを、惜しげもなく見せる。
年齢は同い年ぐらいだろうか。華奢なその体躯(たいく)を包むワンピースすら、天女の衣の様相を呈した。
少女は一人離れた場所から、周りを見ることもなく、手にした本に視線をやっていた。
その美しさを、なんと形容したら良いのかもわからず、悠里の頭の中は真っ白になる。
「……すっごぉ」
小さくうめくような声が漏れる。
悠里の人生で、これまでに見たこともないような絶世の美少女の姿がそこにあった。
――きれいだな。こんな子と仲良くなれたら、めちゃめちゃ幸せだろうな~。
心臓がバクバクいっている。
だが、声をかけることはできない。
御子柴悠里は、その外見からは想像できなかったが、小心者だったのだ。
◆
――『あれ』はいったい、なんだろう……。
東郷麗華は、自分に熱視線を送ってくるその女の子に対して、どう対処したものかと思案していた。
麗華は、いつも通りに本を読んでいた。が、ふと視線を感じて目を向けた先には、パンツスタイルで、ボーイッシュなルックスの少女がいた。視線が、ばっちり合った。
従順な犬っころのように、興味津々な眼差し。
そして、麗華と目が合うや否(いな)や、バッと視線を向こうに向けた。
――わかりやすい子。
よくあれだけ恥ずかしげもなく、初対面の人間をじーっと見ていられたものだ。
呆れるのを通り越して感心すらしそう。
――なんて言うか、天真爛漫?
声をかけてくるだろうか。
少し身構えて、待ってみる。
が、チョコレート色の髪の女の子は、ぎこちなくあっちの方向を見たままで、麗華に近付いてくる様子はない。
声をかける気はなさそうだ。
ただその場を離れることもなく、じーっとしている。
――オラオラに見せて、ヘタレ、か。
麗華の中で結論が出た。
本に視線を戻す。そのボーイッシュ少女のビジュアルは、わりと悪くないわよ、と思いつつ。
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●最終的には、読後感の良いハッピーエンド百合です!
お買い上げも、読み放題も、ウェルカムです!!
24.Kindle本の、著者名および著者名の二重表示ミスを直すのが大変だった件
新刊『GLアイドル』発売早々、発覚した一個のミス。これを修正、反映されるまでに約一週間かかりました。
己への備忘録と、他の皆様への情報提供として、ブログにつづっておきます。
▼気合いで完全完成された、新刊!▼
<お買い上げくださった方々へのご連絡>
最新版での変更点は2点です。
・Kindleアプリでの著者名の正しい表示
・あとがきへの追記。「読み放題で読んでくださる方々にも、ありがたく思っています! 読了まで楽しんでいただけたのだと思うと、幸せな気持ちになれます。」(GLアイドル/水沢みと著より引用)
本のご購入者様は、1月11日の15:10までにお買い上げの場合、『GLアイドル』最新版にアップデートをよろしくお願いします。以降にお買い上げの場合は、最新版が購入できています。
書籍の改訂版の更新方法は、こちらのサイト様に詳しく書かれています。
自動更新オンなら、アプリを開けば直ってる。オフなら、このやり方で、アップデートしたものをゲットできます。
http://www.kimpusha.com/?p=598
以下、すごく長い文章なので、お時間のあるときにでもどうぞ~。
まず私は、今回の新刊を、2018年1月5日に販売開始するべく、予約販売に設定して、データをアップロードしました。去年の12月26日に。
そして、1月5日の0:18。自分も予約注文していた新刊『GLアイドル』が、Kindleアプリにダウンロードされてきました。
そこで発覚したのが!
アプリのホームで、著者名の二重表示が起きていたのです! 「水沢みとおよび水沢みと」
こ、これは、、、気になる! 本文をざっとチェックしたところ、問題はなし。でも、、これは直さねばならん! 読者様に、完璧な状態で、最高の状態で、本を受け取っていただきたい! ということで、二重表示の解決方法を、アマゾンさんに質問メッセージで聞きました。
回答は、24~48時間以内にくると書かれていました。
回答は、1月5日中にきました。
ざっくりと中身を言うと、私のツイートから引用すると。
アマゾンさんから回答きてたー!早い!今回二重表示されたのは、私が「著者」で名前を入力したあと、オプションの「著者等」で著者として再度入力したことによる模様。「著者等」には、著者以外で制作に関わった方を入力すればよいので、今回の場合、イラストレーター様のみ入力すればよかった。
最大48時間以内に変更反映されるようです。自動なのか手動なのか、また確認後ツイートします。しばらくお待ちください
こういうことでした。
拙著『イケメンGIRL!』の登録画面でいうならば、
こうなっていれば良かったのです。「著者」に自分の名前。「著者等」には、イラストレーター様の名前。
「著者等」に入力していた、「著者」と重複した名前を削除して、Kindle本を出版ボタンをクリックしました。
これが、1月5日のお昼のことです。
修正内容反映に、48時間以内かかるとのことだったので、二日間待ちました。ながいなりー。
が、1月7日のお昼前になっても、アプリでの修正反映はされず、、同期しても、書籍更新しても、しーん。
お昼に、二重表示の画面をスクショ添付して、KDPサポートさんにメールしました。
回答がきたのが、1月7日の18:50でした。
内容を、また私のツイートから引用。長い。
アマゾンさんからの回答がありました。
ざっくり言うと、今現在以降、新たに本を購入される方には、著者名は二重表示されることなくご覧いただけます。
しかし、過去に本を購入している場合、再出版されても、自動的に修正版をダウンロードするのはできない仕様だそうです。(1/6)
修正版を配信する方法について。
(出版者自身の端末)
コンテンツの本文に更新が確認できないため、最新版のコンテンツを配信できないそうです。修正版を配信したい場合、修正が行われたコンテンツを再アップロードして、再出版手続きを行い、アマゾンさんにお知らせする必要があるとのこと。(2/6)
(既存読者様全員への一斉配信)
再出版したコンテンツに加えられた修正内容の詳細をアマゾンさんにお知らせして、担当部門に審査された上で配信を行うそうです。回答によると、「Amazon の方針として、読書体験を損なうおそれのある品質上の問題を解消する目的で修正が加えられた場合(3/6)
にのみ、本の既購入様へ修正版を配信しております。」とのこと。
どうにか、本文の変更なく、二重表示のみ直した版を配信してもらえないか、また、再出版が必要ならば、例えば「あとがき」のお礼部分への追加記述ぐらいの軽微な変更で良いのか、メールしました。こちらの回答待ちです。(4/6)
想像以上に、修正版の配信は大変です。まとめると「今本を買っていただいた場合、著者名はちゃんと表示される」、「過去に買っていただいた場合、まだ修正版を配信できるかは未定」です。
前作品を出したときと本の詳細を入力するフォームが変更されており、今回の事態になってしまいました。(5/6)
重ね重ね、予約注文から購入してくださった皆様に、感謝と共に申し訳ないという気持ちでいます。自分としても、本を出せた喜びと、完璧な状態ではない、というモヤモヤが混在し、複雑な気持ちです。引き続き、アマゾンさんと連絡をとり、解決に向けて動いてみます。(6/6)
これを受けて、本文に変更が加わった再出版がいるとするならば、あとがきへの追記のような、軽微な変更で良いのか、メールで質問しました。
1月8日の19時ごろ、返信きていました。
内容、またまたツイートから引用。
質問に対して、アマゾンさんから回答がありました。
「著者等」の欄の名前を削除して、再出版したことについて、通常は48時間程度で情報更新されると。
しかし現時点で二重表示のままなので、担当部門にて調査をするとのこと。
コンテンツの内容変更が必要となるかについても確認するとのこと。
詳細は、1月15日までに回答くれると書いていたのですが、うおおお長いよおおおおお、なんでたった一つのフォームへのミスで、これだけ時間かかるんだーーーーーうおおおお っていう気持ちがもやりもやりとしていたのは事実。
だが、くじけずに、絶対に、修正版をお届けするのだ、という思いでいました。
1月10日に回答きました。思ってたより早かった!
今度は、アマゾンさんからの回答メールから引用です。
お客様の本『GLアイドル』ASIN:B078MCZ15Q の著者名「水沢みと」がKindle for Android アプリ上で重複して表示される件について、担当部門で調査をしたところ、コンテンツファイルに軽微な修正を加えて再出版いただくことで、著者名の情報が更新されることがわかりました。
つきましては、お手数ですが、お客様からご提案いただいたようにコンテンツファイル内の「あとがき部分の追記」をしていただくか、もしくはファイル内のいずれかの箇所にスペースを追加する等の修正を加えて再アップロードのうえ、「Kindle本を出版」をクリックして本の情報を再提出いただけますようお願いいたします。
上記の手続きが終わりましたら、KDPサポートまでその旨をご返信いただけますでしょうか。本の情報を確認のうえ、既購入者様への配信についても対応させていただきます。
これを受けて、急ぎつつも慌てず、あとがきへの追記を加えた修正版イーパブデータを、でんでんコンバーター様で作って、アップロードしました。内容紹介での文字数の記述の変更も忘れずに。そしてアマゾンさんに連絡!
そして、1月11日。
直ったーーーーーーー!!!!!!!
このために、かんなり時間かかったずらよ!!感動すらしたずら。
学んだこと。
・新しいフォームへの記述方法
・修正版を配信してもらうには、本文への変更がいる
・アマゾンさんも忙しいので、回答にはわりと時間がかかる。根気、粘り強さ、イライラしない心を持つ
そんなこんなで完全完成した新刊!
ぜひともお買い上げもしくは読み放題で読んでくださいませ!
23.税に関するインタビューに翻弄された件
いやーまいった。何がって、アマゾンから忘れた頃にやって来た、「税に関するインタビュー」を更新してね、っていうメールですよ。
年末までに更新しないと、30%差っ引かれるの? 二重に取られたらやだー。
と思って、EIN記入されたFAXを一生懸命探すとこから始まった。
結論から言うと、個人でKDPやっている方は、EIN取得はもういらない模様。
30%引かれるのは、米国のKindleストアでの売り上げのみだから、日本がメインで売れてる本には関係ない模様。
こちらのサイトや
http://umikappa1960.blog.fc2.com/blog-entry-1110.html
【朗報】AmazonのKindle電子出版にEIN番号は不要!
こちらのサイトを参考に
http://bookissue.biz/blog/support/tax_interview.html
KDP税に関するインタビューの入力方法(最新版)
EINが個人では使えなくなったので、TINの四つの選択肢では一番下の持ってないを選択。
で、入力したのに、即時適用にはならず。
ここで焦ったよね。送信したのにー、ステータスが2014年のやつのままーと。大丈夫かーと。
10.11の22時ぐらいに送信して。
10.12の13:55にログインして確認したら、最新のに適用なってた。
ほっとしました。送信してから、次の日ぐらいまで待つとよいかも。
リピート決定! 今使い続けているモノ!
アフィリエイト企画第2弾! 水沢みとの愛用品をご紹介。
紹介リンクをクリック/タップしてAmazonでポチッてもらえると、私にお小遣いが入るよ。投げ銭感覚でよろしく!
良いモノでも、今使っていないものは除外。長年使い、現役実用のモノのみ厳選!
(1)はごろも シーチキンPLUS コーン 80g×6個 (0742)
あったかいご飯+シーチキンPLUS コーン+マヨネーズたっぷりかけ=うまー!!
もっと安いシーチキン缶もあるけれど、シーチキンははごろものがウマイ。それもコーン入りで。甘さが加わって、シャキシャキ歯ごたえぷらす。うまい!
(2)BUNKER RING 3 (全5色) バンカーリング iPhone/iPad/iPod/Galaxy/Xperia/スマートフォン・タブレットPCを指1本で保持・落下防止・スタンド機能(ジェットブラック)
これは良いモノです。スマホケースにしっかり貼りつく。取れない。ポケモンGOでどれほどお世話になったことか。落下しない。手でがっちりホールドできるのが、安心かつゲームプレイに集中できる。何気に、スマホを横にしてちょっとした動画を観るときにスタンドになって見やすいのも評価プラスポイント!
(3)キングジム デジタルメモ ポメラ DM100 ブラック
文章を書くことを趣味や仕事にしている方は、ポメラを使うことを検討に入れても良いと思う。最新機種も出ているけれど、1つ前のこれで十分活用できる。しかも安い。文章入力に特化した機械。辞書機能も便利。ネットの誘惑もなし。小説執筆と仕事用の文章作成でお世話になっています。作家の佐藤優氏もポメラを使っているって本に書いていたよ。
(4)うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE1000% 聖川 真斗 (1/8スケール PVC製塗装済完成品)
完全に、うたプリの聖川真斗推しさんもしくは、ST☆RISHハコ推しさん向けですが。出来がいいよコレ。服が少し赤みがかっているっていう前情報に心配したけれど、いい色合い。違和感なし。お顔が美しい。細部まで丁寧に作られているフィギュア。ながめていて、幸せなキモチになれます。
うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE1000% 聖川 真斗 (1/8スケール PVC製塗装済完成品)
- 出版社/メーカー: アルター
- 発売日: 2014/06/05
- メディア: おもちゃ&ホビー
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(5)曙産業 ez egg レンジでゆでたまご3個用 オレンジ EZ-287
毎日使っている。コスパ最強なお品。レンジでチンでゆでたまごが3個までできるけれど、私は1~2個を700W、9分で毎朝作っている。かれこれ3年以上は使っていると思うけど、壊れる気配なし。丈夫で長持ち。カンタンにゆでたまごを作れる。レンジから出すときは、ふきんで取っ手をつかんで、フタもふきんごしに開けて、蒸気を逃し、そのまま流水で冷やしている。やけど注意。あとは、マヨネーズでも焼肉のたれでも、塩でも、お好きに。「曙産業 ez egg レンジでゆでたまご3個用」で検索窓で検索したら、他のカラーのも出るよ。
以上の5品。自信をもって紹介できる、現在も使い続けているモノを紹介した。
気になったモノがあったら、ぜひチェックしてみてほしい。それでは!